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マイクルではないです、、、ポー! なんてくだらん書き出しは無視して頂いて、 ポーの詩集を読んだことのある人は多いのではないでしょうか。 黒猫とか書いた人です。江戸川乱歩がエドガー・アラン・ポーから名前をもらったというのは有名な話。怪人二十面相なんか取り憑かれたように読んでましたが、最近の小学生はどうなんだろ。 閑話休題… 古本屋でこの本が目につくことが多く(名前のせい?)、本棚から引き出して見ると眉間に皺を寄せたポーの肖像画が寂しそうにこちらを見ています。いつもはぺらぺらと捲って元に戻してしまうのですが、今回はある詩がするすると入ってきたので、買ってみることにしました。古本だと安いからっていうのが決め手ですが。 その詩は「ユーラリー」といいます。 嘆きの谷にただひとり 住み暮らしていたから ぼくの心は澱んだ水のようだったが ついに麗しくて優しいユーラリーが 恥じらいがちの花嫁になってくれた ー ついに金色の髪のユーラリーが ほほえむ花嫁となってくれた <後略> この詩は読むものに予感を感じさせると思いました。孤独を抱えて孤独を好むものは寂しがり屋だとわたしは思います。ポーは孤独の生活を経て最愛の人と出会い、また孤独になるのだろうと思いました。 自分のものになると、注釈にも目が行き届くもので、発見があって面白いです。 この詩の下に、こんな注釈があります。 「この主人公のユーラリーは黄色の髪の娘だが、ポーの妻ヴァージニアはbrunette(栗色の髪)であった。詩人は詩の効果のためには容赦なく変える。」 こういう言葉の使い方って、深みがあるなあと思いました。 この本は左側が英文、右側が訳文になっていて、 英語の読めないわたしはもっぱら右専門です。 本の後半には詩それぞれの解説があり、この詩の解説を読んでみました。 前半を要約すると、この詩は「甘ったるすぎる」という理由で、英米では無視されている。 以下、原文通り 「とにかく朗読するか口ずさんでみてほしい。はじめのI dwelt alone/In a world of moan、からして既に快いリズムが伝わりはじめ、以下終わりまで、英詩を読むことの気持ちよさがよく感じ取れる。」 この詩は妻と母親と一緒に郊外の農家を借りたときに書いたもので、このあと、ポーの妻ヴァージニアの病気が進行してしまうのだそう。 そういうことなので、片言ながら音読をしてみました。 I dwelt alone In a world of moan And my soul was a stagnant tide Till the fair and gentle Eulalie became my blushing bride - Till the yellow-haired young Eulalie became my smiling bride. 詩や文章の文体とは、リズムなのです。
by rorie_blog
| 2010-03-17 12:12
| 本・映画・アート・音楽
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